SAP Readiness Check 2.0 for SAP S/4HANA Vol.4

SAP S/4HANAマイグレーションの事前準備に SAP Readiness Check 2.0 for SAP S/4HANA Vol.4 サイジング・お勧めSAP Fiori・課題の気付き・その他

SAP Readiness Check for SAP S/4HANAのSAP HANAサイジング、推奨するSAP Fiori、ビジネスプロセス分析などのその他項目を解説します。

1) サイジング

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Note1872170 に従って、概算で割り出したイニシャルのSAP HANAメモリーサイズを示しています。第二画面以降を使って増加量、新たに活用する機能なども考慮した簡易シミュレーションも提供しています。

「DVM削減」という項目に馴染みが沸かない方が多くいらっしゃると思いますので解説します。SAPではSAP Enterprise SupportでDVM(Data Volume Management)というサービスがあります。このサービスは、現状使用してないテーブルやデータ(消しても差し支えない可能性が高い)、非常にサイズの大きいテーブル・増え方が大きいテーブルの最適化(アーカイブなど)提案をしてくれます。 ここでは概要シミュレーションのため、SAP Enterprise Support契約のお客様は是非このDVMサービスを受けて実際のマイグレーション前にデータサイズを最適化しておく事を推奨します。

 2) 推奨SAP Fioriアプリ

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右側の円グラフはLighthouse SAP Fioriというのは、非常に活用頂いてポピュラーなSAP Fioriです。是非この機会にご確認ください。

右側の棒グラフは、ユーザーロール毎の推奨の標準SAP Fiori数です。現状使用しているトランザクションより類推して推奨SAP Fioriを自動抽出しています。

第二画面以降で、ユーザーロール別の詳しい推奨SAP Fiori一覧があります。

 3)統合

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ここの画面では、BW ExtractorとIDOCの影響度を示しています。

4)ビジネスプロセスの検索

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現状のデータより、ビジネスプロセス上で課題があると推察される領域を提示しています。上手く現状のSAP ERP6.0のデータを元に、ビジネスプロセス上の課題の気付きに役に立てればと思います。第一画面のサマリーでは少しピンと来ないと思うので第二画面以降より解説します。

4-1)運転資本のタブ

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ここでは現状のSAP ERP6.0のデータより分析した、売掛金回収の平均遅延日数とその金額合計、同じく買掛金支払に関する遅延等の日数と金額、滞留している在庫の在庫金額が示されています。

4-3) のように既に不要なゴミになっている伝票も多数存在している場合、これらの数字に影響を与えている可能性もありますので、事実確認は必要です。

4-2)プロセス自動化のタブ

各プロセスでどれだけ自動化されているか、マニュアルプロセスがどれだけ残っているか?の比率です。

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4-3)トランザクションバックログのタブ

1年以上未処理のままで滞留している各伝票数です。ここで未処理のまま滞留しているという意味は、「売掛金伝票・買掛金伝票」で入金・支払いが無いまま長期滞留している、「購買依頼・購買伝票」で発行されただけで後続処理が無いまま放置されているなどの意味です。これらが1年以上に渡り放置されているというのは、何等かの理由で明らかにおかしい伝票という事で、プロジェクトを実施する前に無駄を削減しておく意味でも調査が必要かも知れません。

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4-4)非標準指図タイプのタブ

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SAP標準でなく、非標準の伝票タイプの数とその使用状況です。より標準化を推進する上での参考情報です。

以上の通り4)ビジネスプロセスの検索では、何をどう改善したらいいという指針が出る訳ではありません。但し、滞留、非標準、自動化率などで現状のビジネス上、ビジネスプロセス上、IT上の課題の気付きを得る情報です。

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5)アドオン互換性

SAPまたはパートナー社が提供している標準以外のSAP ERP6.0上のアドオンパッケージ製品の、SAP S/4HANA上での互換性です 日本では例があまりないため馴染みが沸かないかも知れません

たとえば、xx国のyy法対応パッケージというような標準製品では無いものの、パートナー社またはSAPが標準の上で動くアドオン製品として有償で提供しているようなケースです

6) 有効なビジネス機能

SAP ERP6.0のエンハンスメントパッケージで提供しているビジネス機能を有効化してお客様がご使用の場合、SAP S/4HANAでも活用可能かをここで示しています

SAP ERP6.0のエンハンスメントパッケージの提供機能は、インストールしただけだと使用できず、有効化する事によってプログラム・機能が使用できる方式です

以上、2019年リリースされたSAP Readiness Check 2.0 for SAP S/4HANAの中味を紹介しました。是非有効に活用いただければと思います。

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