この記事では東京エレクトロン(TEL)の強みについて、図解を使いながらわかりやすく解説します。
東京エレクトロンは国内トップの半導体製造装置メーカーであり、世界でもトップクラスのシェアをほこる半導体製造装置業界のリーディングカンパニーです。
現在、5Gスマートフォンや高性能PC、EVなど半導体を使う製品がトレンドとなる中で世界的に半導体需要が高まっています。
その需要の高まりを受けて半導体を作る『装置を作るメーカー』である東京エレクトロンに大きな注目が集まっています。
以下のような人におすすめ!
- 東京エレクトロンに就職したい。
- ものづくりを支える製造装置メーカーで働きたい。
- 世界トップクラスのメーカーで仕事をしたい。
- 東京エレクトロンの強み、技術力を知りたい。
結論
東京エレクトロンの強みをまとめると以下の2つです。
- 東京エレクトロンの強みの1つめは、超特化型事業戦略による圧倒的な高収益体質である。
- 東京エレクトロンの強みの2つめは、ナンバーワンだからこそ生み出せる世界トップの総合力である。
データは以下を参照しています。
- 東京エレクトロン 2021年3月期 決算説明会資料 2021年4月30日
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2020
- 東京エレクトロン Corporate Update 2021年5月26日
- 東京エレクトロン 企業サイト
- 就職四季報
- 会社四季報 業界地図
さらに、日経ビジネスや日経XTECHなどのビジネス向け経済誌から得た情報も加えながら、2つの強みについて詳しく解説していきます。
また、東京エレクトロンの歴史についても、わかりやすく説明していきます。
それではいきましょう!CLOSE目次
- 東京エレクトロンの強み「超特化型事業戦略による圧倒的な高収益体質」
- 東京エレクトロンの強み「ナンバーワンだからこそ生み出せる世界トップの総合力」
- 東京エレクトロンから内定獲得!イチオシの就活サイトを紹介
- まとめ 【東京エレクトロン(TEL)の強み】なぜ業界トップなのか?図解でわかる企業研究
東京エレクトロンの強み「超特化型事業戦略による圧倒的な高収益体質」

東京エレクトロンの強みの1つめは超特化型事業戦略による圧倒的な高収益体質です。
東京エレクトロンは1963年、総合商社に勤めていた久保徳雄氏、小高敏夫氏によって創業。
総合商社で務める中で米国で話題になっていたIC(集積回路)の将来性に目をつけた久保氏と小高氏は、その製造装置を日本に輸入する事業の立ち上げを決意しました。
IC(集積回路)とは。。
- 半導体の一種
- 小さい基板上に複数の回路素子(抵抗器やコンデンサーなど)を高密度に組み込んだ回路のこと
- パソコンや冷蔵庫、洗濯機、炊飯器などの家電など、様々なものに組み込まれている
半導体は元々「電気を通しやすい導体」と「電気をほとんど通さない絶縁体」の中間的な性質をもつ物質を指していました。
現在は半導体を使った電子部品やそれらを集積したICなどを指すのが一般的です。
東京エレクトロンはその志に興味をもったTBS(東京放送)から出資を受けます。
その出資を元に販売だけではなく、不具合の修理などのサポートや装置の改良といった『技術サービス』を付加価値とすることで従来の商社と差別化し、高収益なビジネスモデルの基礎を作りました。
東京エレクトロンは1970年に拡散炉(半導体材料のウェーハに酸化膜をつける装置)を国産化することで半導体製造装置メーカーに仲間入り。
半導体製造装置に集中投資することで1990年代からのグローバル展開や市場の急成長にともない大きく成長しました。
2021年、世界4位の半導体製造装置メーカーとして大きな存在感をもち、テクノロジーの進化を支える企業としてなくてはならない企業となっています。

出典:東京エレクトロン Corporate Update 2021年5月26日
1990年代、半導体のシェアは
- NEC
- 東芝
- 日立製作所
など日本企業が世界トップを独占していました。
ですが、現在は
- 米国のインテル
- 韓国のサムスン電子
- 台湾のTSMC
の3社がビックスリーとして圧倒的なシェアを占めており、日本には世界トップを競う半導体メーカーはありません。
日本企業は「半導体専業ではなく総合メーカーの一部としての半導体事業」であったため、業界をリードする研究開発と設備投資を継続的に行えなかったことが原因と言われています。
一方、東京エレクトロンは半導体製造装置とフラットパネルディスプレイ製造装置に注力する『専業メーカー』として積極投資を実行。
1300億円を超える研究開発投資と500億円を超える設備投資投資を行うことで世界トップレベルの競争力を発揮し「22.9%という圧倒的な営業利益率」を確保しています。

このように超特化型の事業に集中投資することで圧倒的な高収益を実現したことが東京エレクトロンの大きな強みと言えるでしょう。
超特化型事業戦略による集中投資が実現した圧倒的な高収益体質が東京エレクトロンの強み
東京エレクトロンの強み「ナンバーワンだからこそ生み出せる世界トップの総合力」

東京エレクトロンの強みの2つめはナンバーワンだからこそ生み出せる世界トップの総合力です。
東京エレクトロンは半導体製造装置の中でも「前工程向けの装置」に強みをもっており、前工程の4つの基幹工程のすべての製造装置を作っている世界唯一の企業として世界中に7万台を出荷しています。半導体製造の前工程
設計した電子回路を半導体ウェーハ表面に形成する工程であり、東京エレクトロンの製造装置が世界中で使用されている。
- 成膜:配線などになる薄膜をウェーハ上に形成する
- リソグラフィー:薄膜上に感光剤を塗布し回路パターンを転写する
- エッチング:現像された感光剤をマスクにしてエッチングによって薄膜を配線などの形状に加工する
- 洗浄:汚染物質や付着物を洗浄する

出典:東京エレクトロン 企業サイト
半導体製造装置は1台購入するのに億単位の費用がかかるものもあることから、顧客は手持ち装置との相性を慎重に検討した上で購入を決定します。
つまり「シェアを獲得している企業が有利となる業界」であり、前工程製造装置に圧倒的なシェアをもつ東京エレクトロンは将来にわたり高シェアを確保できると言えます。

出典:東京エレクトロン Corporate Update 2021年5月26日
また東京エレクトロンは世界中で使われている装置から得られたデータから装置の予防保全を行い、顧客の生産ラインの稼働率を最大限に高めるフィールドソリューション事業を拡大しています。
このフィールドソリューション事業は幅広い製品群で世界トップシェアを持つ東京エレクトロンだからこそできる情報収集力と分析力によるものであり大きな強みの1つです。
長い歴史の中で築き上げた顧客の信頼と圧倒的な成長投資、高い製品品質を加えた「世界最高レベルの総合力」で今後も半導体製造業界のリーディングカンパニーとして世の中を支えていく企業であると言えます。

出典:東京エレクトロン Corporate Update 2021年5月26日
半導体前工程製造装置ナンバーワンだからこそ生み出せる世界トップの総合力が東京エレクトロンの強み