5つのポイントを掲げるトヨタの「TNGA」とは?
TNGAとは、「Toyota New Global Architecture(トヨタ・グローバル・アーキテクチャー)」の略称です。和訳すると、「トヨタの次世代を広く担う構造」。トヨタの今後10年先の未来を見こした新しい車づくりの指針です。
トヨタがTNGAを進めるにあたり、掲げるポイントは以下の5点です。
- 商品力の向上
- グルーピング開発による効率化
- ものづくり改革
- グローバル標準への取り組み
- TNGAと連動した調達戦略
簡単に言えば、TNGAの目標は「よい車をつくること」です。①~③は、車としての商品力を向上させるために、車の構成要素を小さなグループに分けて開発することで各箇所の性能向上を図る、ということです。技術開発にかかるコストは、生産性を向上させることでまかないます。
コストダウンのために、これまでトヨタ専用に開発していた部品をグローバル標準の規格品を使い原価低減させ、各部門の連携を改革的に強めることで生産性を高めます。これが④⑤で、車を短期間で安価に作ることができれば、他社に対する競争力を獲得し、戦略的なマーケティングが可能です。
車をつくり販売するうえでかかるあらゆるコストを低減させ、それによって生まれた利益を、よりよい車両開発に注ぐことで、さらに商品力の高い車をつくるという、好循環に向けた取組みがTNGAといえます。
TNGAプラットフォームとは?

TNGAの取組みに基づき設計・開発されたプラットフォームは、ハイブリッドパワートレインと電子デバイスの搭載を前提として設計された次世代トヨタの車体骨格です。また、多彩な車種に対応できるように、ボディサイズが柔軟に変更可能となっています。
ボンネットフードや床面の基本位置を低く抑えることで低重心と視界確保に貢献し、操縦安定性と安全性の向上に働くとともに、車の性能・デザインの設計自由度が飛躍的に高められました。
コンパクトカーからスポーツカーまで幅広い車種に高水準の性能が与えられるよう設計されています。
TNGAパワートレーンとは?

TNGAの取組みに基づき、新たに設計しなおされた新型パワートレーンの開発も進んでいます。
「ダイナミック・フォースエンジン」と呼ばれる新型エンジンは、高出力と低燃費のさらなる両立を図りながら、エンジン規格の整理と共通形状・共通部品を増やし、生産性の向上を狙います。
また、優れたエンジン動力を効率よく路面に伝えるべく、新たに開発されたトランスミッションの名称は「ダイレクトシフト」。小型化とロックアップ領域を拡大し、多段化と伝達効率の向上が推し進められたトランスミッションです。
新たに開発されるパワートレインは最新技術が惜しみなく投入され、TNGAの目標とするよい車づくりに欠かせない重要なピースとなります。
TNGA 採用車種は現在6モデル

【TNGA採用車種 一覧】
- プリウス
- プリウス PHV
- クラウン
- カムリ
- カローラ スポーツ
- C-HR
軽量・低重心・高剛性のTNGAプラットフォームが採用された車種は、上記6モデルです。いずれも非採用車に比べて、衝突安全性能、静粛性能が大きく向上しています。
また、「ダイレクト&スムース」をテーマに開発される新型パワートレインは、パワフルでレスポンスよく車を前へ進ませます。
TNGAによって生まれたトヨタの新型車は、あらゆる面での基本性能が底上げされ、今後さらに多くの車種に展開されていく見通しです。