実例資料
https://note.com/okuwakikei/n/n40a674dd1db8
現場で業務、DX、ITコンサルティングを行っている、私が事例をご紹介いたします。
2018年9月に経済産業省から発表された「DXレポート」をきっかけに認知が広まり、今やビジネスシーンに定着しつつあるDX(デジタルトランスフォーメーション)。
しかし、DXへの認知・理解は深まったものの、クラウドサービスの活用・導入などの初歩的な施策にとどまり、デジタル企業への変革プロセスまで辿り着けていない企業がほとんどというのが現状です。
そこで本記事では、日本国内・海外のDX成功事例を厳選して紹介。DX推進の重要性を感じているものの、「何から着手すればいいかわからない」「自社の取り組みが正しいか自信を持てない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
経済産業省のDXレポートを皮切りに注目を集めたことに加え、コロナ禍により急速なビジネスの変革に迫られたことで、DXは一躍バズワードとなりました。
しかし、いまだに日本国内企業の9割が「DX未着手企業」「DX途上企業」にとどまっているのが現状です。
その根底にある問題は、多くの企業がいまだにDX=デジタル化・IT化と誤解していること。従来の仕組みをデジタル化したり、既存のツールやクラウドを活用しただけではDXを推進できている状態とはいえません。
ビジネスにおけるDXとは「データやデジタル技術を駆使して、ビジネスに関わるすべての事象に変革をもたらす」ことであり、経済産業省が2020年末に発表したDXレポート2でも「素早く変革し続ける能力を身に付けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革する」ことがDXの要と言及されています。
企業内に事業変革の体制が整い、環境の変化に迅速な対応が可能な状態にあることが真にDXを推進できている状態といえます。
日本国内のDX推進事例
多くの日本企業がDX推進の重要性を感じているなか、デジタル企業への変革プロセスを適切に勧められている企業はほんのひと握りです。
ここではビジネスの変革という意味で、DX推進の第一歩を踏み出している日本国内企業の取り組みを以下の添付資料でご紹介いたします。
中堅企業におけるIoT導入の実践的アプローチ
IoTに取り組む中堅中小企業が取り組むべきIoTのPoCとは
国内におけるIoTの取組みは、欧米や中国に比べると遅れていると言われています。IoT(Internet of Things:インターネット・オブ・シングス)とは、“モノのインターネット”と訳されますが、これはモノの情報をセンサーやカメラなどで収集して、このデータを解析処理して、データを活かしたサービスを提供するという新しい考え方です。製造業では、工場内の設備管理に利用して故障やトラブルを未然に回避したり、お客様に販売した製品に通信機能を内蔵して稼働をモニタリングしたりすることが可能となります。大手企業での取組みは進んでいますが、中堅中小企業ではまだこれからという状況です。そこで本コラムでは、中堅中小企業の目線でIoTにどのように取組んでいけば行けば良いのかを分かりやすく伝えて行きたいと考えています。
中堅中小企業のIoTはどこから取組むべきなのか
製造業がIoTに取組む場合、いきなり全社に導入するのではなく、実験的に機能検証や実用化テストを行います。これをPoC(Proof of Conceptの略、「概念実証」という意味)と呼んで 新しい概念や理論、原理、アイディアの実証を目的とした、試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを行います。最近では、機械や設備などに簡単に取り付けることが出来るセンサー機器や、このデータを直ぐに可視化してくれるシステムを入手することが可能です。こうしたツールやシステムを使って、まずはPoCを行うところから始めます。製造業でIoTに取組む場合、その対象となるテーマは、「設備」「品質」「在庫管理」「生産計画」「トレーサビリティ」などがあげられます。どのテーマも製造業では重要なテーマですが、筆者がお勧めするのは「設備」に関する取組みです。
製造業と言っても、機械や機器などの完成品をつくるメーカーとその部品や素材を作るメーカーに分けて考えることができます。完成品メーカーは、自社製品にセンサーやシステムを組込むことが出来ますが、部品や素材メーカーはそんなことは出来ません。自社の部品や素材のデータを入手するためには、その部品や素材を使ってくれる完成品メーカーの了解を得てそこから入手するなど考える必要があります。完成品メーカー向けのPoCは、「設備」を対象とした内容、部品や素材メーカー向けのPoCは、「品質」を対象とした内容がお勧めとなります。
完成品メーカーのPoCはなぜ「設備」からはじめるのが良いのか
機械や機器などをつくる完成品メーカーが取組むIoTは、「設備」を対象とした内容をお勧めします。その理由はいくつかあるのですが、その理由を以下にご説明します。
- 「設備」に関連する事例が多いこと
“設備の稼働状況管理”、“設備の故障・トラブル対応”、“設備の予知保全”、“設備の遠隔操作”、“設備データを利用した最適化”など多様な事例を見つけることが出来ます。 - 「設備」からデータを入手するのが容易であること
新しい機械や機器だと、内蔵されたセンサーやシステムからデータを入手するインターフェースを備えています。ここから各種データを入手することが可能です。また、古い機械や機器でも外付けのセンサーなどを付けてデータを入手することも可能です。さらに、最近ではアナログのメーターや表示版をカメラで撮ってこれをデジタル化してデータを入手するような手段もあります。 - 「設備」のデータを可視化するツールやサービスが豊富にあること
最近では、「設備」などから入手したデータを簡単に“見える化”してくれるシステムも高機能なものから簡単なものまで選ぶことが出来ます。古い設備でも、こうしたシステムを利用すれば、設備の稼働状況がひと目で分かります。自動車部品を作っている旭鉄工(愛知県碧南市)が、自社のIoTノウハウをもとに設立した
i Smart Technologies社(iSTC:アイ・スマート・テクノロジーズ)は、そのノウハウをソリューション提供するビジネスを提供しています。旭鉄工と同様に、古い設備を持つ製造業のIoT導入やスマート工場の導入支援や自社開発したシステムを安価に提供しています。
このように、テーマを「設備」にすることで比較的に低いハードルでIoTに取組むことが出来ます。はじめて取組むIoTとして、失敗するリスクが低くその効果をひと目で見ることが出来るのでお勧めです。さらに、PoCを自社工場にある「設備」からはじめて価値あるデータ収集とその解析によるサービス化が実現したならば、この「設備の見える化サービス」をお客様向けサービスとして提供することが可能となります。技術はどちらも同じなので、このIoT技術は工場向けに使うと生産技術による生産性向上に、お客様向けサービスとして提供すれば販売した製品のメンテナンスサービスとして事業化出来ます。

まとめ
IoTは大企業での取組みは進んでいますが、中堅中小企業では推進体制やシステムに詳しい技術者確保などが難しく取組みが進んでいないようです。今回は、完成品メーカーを例に、IoTの対象をどこから進めるかについてお話しました。ドイツでは、国や地方行政が企業や研究機関を巻き込んで、IoT技術者の育成や資金提供など中堅中小企業にも手厚い支援を提供しています。中国では、AIやロボットなど分野を絞って莫大な国家予算を投じて欧米に対抗しようとしています。欧米中の競争から遅れる日本は、大企業が自力で進めているのに対して中堅中小企業の取組みはまだこれからです。