出典:アップル
今年も新しいiPhoneが発表された。予想通り、名前は「iPhone 13」シリーズ。デザインも現行モデルであるiPhone 12シリーズを踏襲し、カラーリングを一新したものになった。

iPhone 13・スタンダードモデルは5色展開。サイズは「mini」とスタンダードの2種類。9月17日から予約が開始され、24日より発売。
毎年新製品が出ると議論になるのが、「Proを買うべきなのか、そうでないのか」という話だ。
結論から言えば、iPhone 13世代における筆者の意見は「Proは前世代以上に“プロに特化”してきたので、スタンダードモデルを選ぶ人も増えるだろう」ということだ。
iPhone 13シリーズの直販価格は、iPhone 13 miniが8万6800円から。iPhone 13は9万8800円から。プロ向け上位機種のiPhone 13 Proは12万2800円から、iPhone 13 Pro Maxは13万4800円からになる(いずれも税込)。
両者の違いをあらためて分析してみよう。
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カメラにこだわる「Pro」、13世代ではさらに先鋭化

iPhone 13 Proシリーズはメタリックな4色展開。サイズはスタンダードサイズの「Pro」と、6.7インチディスプレイ採用の「Pro Max」の2種類。
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iPhoneの歴史を振り返ってみよう。
2014年に登場した「iPhone 6シリーズ」以降、iPhoneは「サイズの大きなハイエンドモデル」と「スタンダードモデル」に分かれていた。
「iPhone X世代(2017年)」以降はディスプレイで差別化するようになり、2019年から、現在の「スタンダードモデル」と「Proモデル」が分かれる形になっている。2020年には、スタンダードが小型の「iPhone 12」と「mini」、Proラインが「iPhone 12 Pro」と「Pro Max」の4ライン構成に変化した。
2020年にデザインの大幅変更があったことを受けてか、2021年もラインナップの方針は同じだ。性能的にも、「13」「13 mini」というスタンダードラインと、「13 Pro」「13 Pro Max」のProラインで分かれている。
一見12世代と13世代は同じラインナップ構成のまま進化したように見えるが、実際には少し違う。12世代でProラインが「プロフェッショナルなど、カメラにこだわる人」向けに進化したことを、さらに突き詰めたような変化になっている。

iPhone 13 Proシリーズのカメラはレンズ周りの設計を完全に見直し、大幅に表現力が強化されている。
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13 Proシリーズはカメラ周りの性能が大幅に刷新されている。
光学3倍のズームイン(12 Proは2倍、12 Pro Maxは2.5倍)やマクロ撮影など強化が進み、望遠カメラでのナイトモード撮影にも対応した。「暗いところでの撮影」にさらに強くなり、プロ向けの動画撮影で使われるフォーマット「ProRes」での4K・HDR撮影にも対応する。ARやピント合わせに使われる「LiDAR」も、引き続きProシリーズのみに搭載されている。

iPhone 13 Proシリーズは、サイズに関わらず光学でのズームインを「3倍」に強化。結果として、従来から可能だった「光学2倍」のズームアウトと合わせて6倍まで幅が広がった。
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iPhone 13 Proシリーズはマクロ撮影が強化され、アップルによれば最大2cmまで寄って撮影可能になったと言う。
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有機ELディスプレイも最大毎秒120コマ表示対応になり、表示がなめらかになる。
これは他社のハイエンドスマホが先行していた部分だが、アップルもキャッチアップしてきた。一方アップルが採用したディスプレイでは、用途に合わせて描画頻度を毎秒10コマから120コマの間で変化させることで、消費電力を抑える仕組みも導入されている。25%明るくなり、屋外での見やすさも改善されたという。

ディスプレイは最大毎秒120コマの表示に対応したが、操作や処理にあわせて10コマから120コマまで変化する。その分負荷が減り、動作時間は長くなる。
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そうした機能をカバーするためか、13 Proシリーズでは、スタンダードモデル(iPhone 13)とはプロセッサーの構成を変えてきた。
名称こそ同じ「A15 Bionic」なのだが、グラフィック処理に使われるGPUのコア数が、スタンダードモデルより1つ多い「5」に増えている。これまでも搭載されているメインメモリーの量がスタンダードとProでは異なる場合もあったのだが、今回はさらに、処理性能面でも差別化を図っている。