メンタリストが人の心を操れる本当の理由、なぜ「目線と指の動き」が重要か

相手の心を読み、操作する「メンタリスト」やメンタリストが使う「メンタリズム」は、まだ日本において誤解を受けています。メンタリズムとは、単に心理学を使って人の心に浮かんだものを当てる技術でも、単なるマジックでもありません。また、メンタリズムを応用すれば、ビジネスシーンでもその力を大いに発揮するのです。(プロフェッショナル・メンタリスト ロミオ・ロドリゲス)

なぜメンタリストは人の心を操れるのか?

 ある人物が現れただけでその場が引き締まり、多くの方がその人の存在や発言に注目し、その人がいるだけでビジネスの話が進む。ビジネス組織に属しているあなたなら、もしかするとこんな人物像に憧れ、そのような存在になりたいと考えているのかもしれません。

 ビジネスの場面において、常に主導権を掌握し、その場の支配を出来るということは、とどのつまりビジネスを自分の思う通りに進めることにほかなりません。

 こうした技術に長けているのが、相手の心を読み、操作をする「メンタリスト」と呼ばれる人たちです。

 しかし、まだ日本において、メンタリストやメンタリズムは誤解を受けております。多くの人は、メンタリズムとは心理学を使って人の心に浮かんだものを当てることができるものだと思い込んでいるのですが、それは間違いです。メンタリズムとは何なのかを理解してもらうには、しっかりと史実をひも解くほうが早いでしょう。

日本のメンタリズムに対する認識は間違いだらけ

 メンタリズムとはマジック(奇術)の世界から派生したもので、マジックの世界では「メンタルマジック」と呼ばれるものです。つまりトリックがあり、そのトリックをまるで相手の心を読んでいるようにパフォーマンスするのが「メンタリスト」と呼ばれる人たちです。

 約100年前に近代メンタリズムを立ち上げたのがセオドール・アンネマンという人物です。それ以前のメンタリズムは、いわゆる偽霊能力者や偽占い師がよく使って、人々をだましてきた技術でした。アンネマンはこれらのテクニックをだますことに使うのではなく、人々に喜んでもらおうとステージでパフォーマンスをすることにしました。偽霊能力者のまやかしを公開し、人々はトリックにだまされてきたことにショックを受けます。

 しかしある日、パフォーマンスで鉄砲の弾丸を口で止める演技の最中に、なぜか本物の弾丸が入っていて、アンネマンは発砲事故によって死亡しました。これには偽霊能力者たちが暗殺したのではないかという説もありましたが、真相はいまだに解明されないままとなっています。

メンタリズムはただのマジックではない

「なんだ、メンタリズムってただのマジックなのか」と、あなたは思ったかもしれません。

 しかし、メンタリズムの歴史が進む中で、一般的な奇術とは一線を画すような方向に進んでいきます。それが心理術の存在です。ただの奇術だったものに、本物の心理術が入り込むことで、その様相は変わってきたのです。

 現在欧米で活躍するメンタリストたちの多くは、必ずトリックに心理術を付け加えた状態でパフォーマンスをしています。

 例えば英国を代表するメンタリストであるダレン・ブラウン氏は催眠術とトリックを掛け合わせることで演出をしており、知らない人からみると催眠術で相手の心の中まで分かるのだと思わせてくれます。

 ドイツのメンタリストであるトルステン・ハーフェナー氏は、しぐさ学や表情学、または神経言語プログラミング(NLP)を掛け合わせた心理術とトリックを使い、その演出のうまさから天才と呼ばれるようになっています。

 このように世界各国にメンタリストは存在し、それぞれの得意なジャンルとトリックを掛け合わせてパフォーマンスをしているのです。演出こそ違いはありますが、そんな彼らにも共通点があります。

 それが「場の支配力」です。

なぜメンタリストにとって「場の支配力」は重要なのか?

 メンタリストがパフォーマンスをする際、その場を支配できない限り、観客に響くような演出はできません。

 観客に注目され、その集中力を継続させ、トリックの細部まで理解させ、最後には驚きを提供しなければなりません。そのためにはその場を支配する力が重要なのです。

 では場を支配するためには、何に注意する必要があるのでしょうか?

 もちろん世界観も必要ですし、緩急のある話術で観客を集中させるのも必要です。しかし、実は観客の「細部」に気を配れることが最も重要なのです。

 トリックなので、例えば相手の初恋の相手の名前を当てるのは難しいことではありません。仕掛けについては公開できませんが、まず間違うことはありません。メンタリストなら確実に当てることができます。

 ただこれをトリックだけに頼るのは、いわゆるメンタリストの世界では素人と呼ばれます。

 トリックだけに頼ると、その場の空気に緊張感をもたらすことはできないのです。演者であるメンタリストがトリックだけに頼ると本人に緊張感がなくなり、観客はそのような空気を敏感に感じ取ってしまいます。すると観客の集中力もなくなってしまうのです。

 これはビジネスでも全く同じだと思いませんか?

 例えばビジネスで企画について話す際、プレゼンテ―ションでは世界観や話術も必要ですし、企画に対する興味だけに聞いている人の神経を集中させたいはずです。

 このようなとき、相手の反応を見て次の話の進め方を臨機応変に決める。そんな対応力が求められるのではないでしょうか。

 メンタリストがこのような場面で最も注意するのが「相手の目線」や「指先の動き」なのです。

あなたにもできるメンタリズム目線で心の中を読んでみよう

 人の目線というのはかなり正直で、うそをつくことが難しい部位です。

 これは実際に試していただきたいのですが、友人に10円を左右のどちらかの手に入れてもらい、左右の手をしっかり胸の前で延ばし、肩幅ぐらいに広げてもらいます。

 そしてあなたは「どっちに10円が入っているかは絶対に教えないでください。ただ、どっちにあるのか私に分からないように集中して」と言ってみてください。

 すると相手は集中すればするほど、自然と鼻先が10円の入っている手の方に向くはずです。これは目がうそをつこうとしても、目の筋肉の動きが鼻に伝ってしまうからです。

 もしうまくいかない場合は、相手に目を閉じてもらってからあらためて集中させてみてください。鼻先が自然と10円の入っている手の方に向くようになります。

 このように人は必ずといっていいほど集中する方に筋肉が動きます。ビジネスの場面であなたがプレゼンをしているとしましょう。先ほどまでは相手がこちらに集中していたのに、目線が違う方向に動いたり、目線が落ちたりするようになった――。これは、あなたの話に興味がないのか、早く話を切り上げたいと考えているかのどちらかです。

 目が下に泳げば不安感情があり、思案しているという意味ですし、左右に目が泳げば自信の無さを表しているのです。

指先の動きは「押すか引くか」の目印

 話を聞いている相手の指先の動きにも注意することが必要です。指の動きは人の心理的状態を如実に表しているので、相手の心の中を知る手がかりとなります。

 例えば、手を組みながら親指を上に向けたしぐさは、前向きな考えを表しているときによく現れるしぐさです。いわゆるポジティブな状態なので、どんどん話を進めていくのが良いでしょう。また、手をオープンにしながら全ての指の指先だけをくっつけるポーズが見られた場合は、自信のある人の特徴です。慎重に扱う必要がでてきます。

 反対に手を組んでいて親指が隠れたりするのは気持ちが後ろ向きになっている証拠です。このしぐさを見たら、とにかく話題を変えるか違うプランを提示する必要があります。

 このようにメンタリストはステージで相手の動作を見抜き、その心理状態を読み取ります。そして最後に初めてトリックを使用し、相手の心に浮かんだことを当てたり、読み取ったりするのです。すると緊張感を持った空気がその場に流れ、観客はメンタリストの演出に集中をします。だから自然とメンタリストが持っていきたい世界観や空気感を作り出すことができるのです。

 まさに「細部に神は宿る」の言葉通り、場の支配力は相手の細部を読み取ることで達成するのです。【ロミオ・ロドリゲス(プロフェッショナル・メンタリスト)】

カウンセリング実績累計70万人。芸能人や著名人などからも支持され4カ国語を操る、交渉術のエキスパート。

1972年香港生まれ。説得術、交渉術のエキスパートであり、ビジネス心理専門家。幼いころより英国、カナダ、日本とさまざまな国で生活し、4カ国語を操る。相手の心を読み、暗示をかけ、操作をするエンターテイメント「メンタルマジック」を日本に確立させた第一人者。

日本テレビ,テレビ朝日、テレビ東京など多くの全国テレビ出演を果たす。

2009年に香港へ渡り、経営、マネジメント、ビジネスのゲーム性の面白さに心奪われ、得意とする心理術との共通点に気付き、独自のビジネス心理方法論を作り上げる。

2010年には香港大学専修科でメンタリズムの講師として抜擢、本講義は受講生が教室に殺到する人気授業となり、話題を集め、香港の大富豪や芸能人、著名人など多くのVIPなクライアントも持つ。

現在は「ザ・スーパーメンタリズム・エンターテイメント」を主催し、各地で超心理術エンターテイメントショーを展開。メンタリストの徒弟制度を開設し、次世代なるメンタリストの育成にも力を入れている。

一方、独自のビジネス心理方法論を元にしたセミナーを開催し、サービスや接客業のビジネス現場でいかに顧客の心を読むかを指導。

インターネット事業でも多方面にビジネスを展開し、メンタリズム・アンダーグラウンド・アカデミーオンラインや多種類のインターネットビジネスにも関連、2015年、「マインドリーディング協会」を立ち上げるなどマインドリーディングの発展のため、さらに活動の幅を広げている。

オフィシャルHP:https://peraichi.com/landing_pages/view/romeorj888/

著書:https://amzn.to/3yabAgO

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中