SAPのFI(会計)モジュールにおける伝票日付と転記日付、そして登録日付の違いについて解説します。
システム的に重要な日付のか、重要ではない日付なのかを意識しておかないと入力ミスにつながり、場合によっては取り返しがつきません。決して難しい内容ではありませんので、短時間でパッと違いを整理しておきましょう。このページで学べる内容
- 転記日付とは
- 転記日付を間違えた場合の対応
- 伝票日付とは
- 登録日付とは
SAPを利用する方や、SAPエンジニアを目指す方であれば知っておきべき重要事項です。それでは早速解説を始めます。スポンサーリンク目次
SAPに存在する会計伝票の様々な日付
会計伝票には、実に様々な日付情報が存在します。会計伝票の様々な日付情報の例
- 転記日付
- 伝票日付
- 登録日付
- 伝票の最終更新日付
- 換算日付
1つ1つがシステム的にそれぞれ特定の役割を持っており、それらの日付情報が「何を表す日付なのか?」というのを知っておくことは重要です。
特に本記事で説明する3つの主要な日付は明確に区別しておくことが求められます。1つ1つ、どのような日付の情報なのか初心者向けに分かりやすく解説します。
転記日付とは?
まず、初めに転記日付から。
転記日付とはその名の通り「転記」を行う日付です。すなわち、取引を行った日付が入力されます。
実際の例で言えば、商品を買った日付、売掛金が発生した日付など。他の日付情報と異なり、転記日付はどの会社でも同様に「取引が発生した日付」を入力する決まりで、様々ある日付情報の中で最も重要な項目です。
SAP的には、この日付の「会計期間」がオープンされていないと伝票の登録ができません。例えば2020年の10月の会計期間がオープンされていない場合、転記日付「2020/10/01」での伝票登録は不可です。
転記日付を間違えた場合
転記日付を間違えて登録してしまった場合、SAPは伝票削除ができませんので「反対仕訳」を登録する必要があります。
反対仕訳の手順についてはこちらのページで解説しておりますので、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
伝票日付とは?
伝票日付は、転記日付と異なり、システム的にも業務的にもあまり重要な意味を持ちません。SAPを導入する会社ごとに「どのように使うか」を決めて利用する日付です。
なので、どの日付を入力しても問題ありません。現場によっては未来日付だろうが過去日付だろうがなんでも入力できる場合もあります。伝票日付は、会社独自でルールを定めて利用する日付項目なので、例えば以下のような使われ方をしたりします。伝票日付の使われ方の例
- 伝票を「入力した日」
- 伝票の「入金予定日」
- 伝票を「未転記で登録した日」
用途は様々です。ルールがなければ、どんな日付を入れておいてもOK。入力ミスをしても、反対仕訳は必ずしも必要ではなく、SAPの設定次第ですが転記後でも修正することが可能です。
会社のルールに従って、適切な日付を入力するようにしましょう。
登録日付とは?
最後に登録日付について。
登録日付は、システムに「伝票が登録された日」が設定されます。実際のSAPユーザは目にしませんが、システムを運用する人にとってはいろいろな場面で役立つ日付です。
登録日付は、SAPがシステム的に自動的に登録するので、それ以外の日付は設定されません。この日付は、障害の原因調査の1つのヒントになったり、例えば伝票がどのタイミングで多く登録されるか?を知りたい場合に使うことができるのです。
SAPのFIコンサルを目指す方であれば、是非知っておきたい重要な日付情報です。