5Gのサービスについて説明する楽天の三木谷浩史会長兼社長=楽天モバイル提供
楽天モバイルは9月30日、同日始めた高速移動通信方式「5G」サービスの料金を月2980円(税別)にすると発表した。今春に本格参入した4Gの料金と同額で、NTTドコモなど大手3社の半額以下の水準となる。菅政権が掲げる携帯料金引き下げ要請で業界への圧力が強まるなか、料金引き下げ競争につながっていくのかが注目される。
「清水の舞台から飛び降りるつもりでやりました」。30日にあったオンラインでの発表会で、楽天の三木谷浩史会長兼社長は、5Gサービスの料金について興奮気味に話した。
大手3社が5Gの大容量プランを月7千~8千円台で提供するなか、楽天は半額以下で、料金プランはデータ無制限の1種類のみとした。5Gに対応する独自スマートフォンも発表し、「既存の携帯会社と違い、自分たちのテクノロジーで最高品質のサービスを提供する」と強調した。
だが、実際に5G通信を利用できるエリアはまだ少なく、狭い。楽天の場合、現時点では6都道府県の21地点に過ぎない。来年3月には全都道府県に利用エリアを広げるというが、その後の詳細な計画については明言を避けた。5Gは一般的に、周波数の特性から4Gよりも多くの基地局が必要とされ、生活圏で面的につながるには数年単位の時間を要するとみられる。