大砲が少ない二塁手は誰? 各ポジション「最も通算ホームラン数」が多い選手は…

サードで最も本塁打を放っている広島の“鉄人”衣笠祥雄 (c)朝日新聞社© AERA dot. 提供 サードで最も本塁打を放っている広島の“鉄人”衣笠祥雄 (c)朝日新聞社

 一塁手は強打者、二塁手は何でもできる器用なバッターなど各ポジションごとにイメージがある。事実、歴代通算ホームラン王の王貞治(巨人)のポジションはファーストであり、他にも一塁手には長距離砲が多いのはご存じだろう。

 一方で大砲のイメージのないセカンドなどは「誰が最もホームランを打ったのだろうか?」とふと気になることもある。そこで今回は各ポジションごとのキャリア通算のホームラン数トップ3を調べてみた。※ポジションは現役中に最も先発出場数が多かった守備位置

*  *  *

【投手】

1位 金田正一(国鉄など):38

2位 別所毅彦(巨人など):35

3位 米田哲也(阪急など):33

1975年にパ・リーグにDH制が導入されたが、上位3人は主に制度ができる前に活躍した選手。NPB史上唯一の400勝投手である金田は打撃でも素晴らしい野球センスを発揮しており、投手にも関わらず代打起用で2本のホームランを放ったりと伝説も多い。意外なところでは、星野仙一(中日)も歴代8位となる15本のホームランを放っている。

【捕手】

1位 野村克也(南海など):657

2位 田淵幸一(阪神など):474

3位 阿部慎之助(巨人):406

ポジションの縛りがないランキングでも歴代2位の本塁打を放った野村がトップ。その後に「打てる捕手」の代表格であった田淵が続いた。昨シーズンで現役を退いた阿部も本塁打王こそないが、近年で最もホームランを打ったキャッチャーである。2006年から4年間メジャーに挑戦した城島健司(ダイエーなど)も捕手としては5位の244本を放っており、日本でプレーを続けていれば上位に食い込めた可能性は高い。

【一塁手】

1位 王貞治(巨人):868

2位 清原和博(西武など):525

3位 落合博満(中日など):510

“世界のホームラン王”が断トツ。その後に清原、落合が続いていることからも一塁手が強打者ぞろいであることはイメージ通り。他にも全ポジション合わせても歴代9位の大杉勝男(486、東映など)、同22位の大島康徳(382、中日など)、同25位の小笠原道大(378、日本ハムなど)ら球史に残る大砲がファーストには多い。

【二塁手】

1位 山崎裕之(ロッテなど):270

2位 井口資仁(ダイエーなど):251

3位 岡田彰布(阪神など):247

あまり強打者のイメージがない二塁手だが、実際の数字をみても他のポジションに比べると見劣りする。“長嶋二世”と呼ばれていた山崎がトップで、その後に井口、岡田が続く。井口は4年間メジャーでプレーしており、仮に日本でプレーしていたら確実にトップに立っていただろう。山田哲人(ヤクルト)も現役ながら昨年までに202本塁打を放っており、メジャー挑戦がなければ、歴代1位となるのはほぼ間違いない。

【三塁手】

1位 衣笠祥雄(広島):504

2位 長嶋茂雄(巨人):444

3位 中村剛也(西武):415

一塁手と同様に長距離砲が多い。トップの衣笠、2位に長嶋とレジェンドが並び、その後に現役の中村剛也(埼玉西武)が続く。中村剛也は今年で37歳とキャリアの晩年に入っているが、昨年も30本塁打を放っており、衣笠超えも射程圏内と言っていい。その他にも小久保裕紀(413、ダイエーなど)、中村紀洋(404、近鉄など)、原辰徳(382、巨人)、掛布雅之(349、阪神)ら球史に残るホームラン打者がずらりと並んでいる。

【遊撃手】

1位 宇野勝(中日など):338

2位 池山隆寛(ヤクルト):304

3位 真弓明信(阪神):292

内野の中で守備力が最も重要とされる遊撃手のトップは、中日で長年活躍した宇野。その後に、豪快なスイングで“ブンブン丸”と呼ばれた池山が続く。外野手としてのイメージもあるが、真弓は実はショートでの先発が最も多く、3位にランクインした。歴代最高の遊撃手との評価もある坂本勇人(巨人)は、昨年までに223本塁打を記録し、ショート部門では現在のところ豊田泰光(263、西鉄など)に続く6位。昨年は40本塁打とキャリアハイをマークし、まだ年齢も今年で32歳と若いだけに、ケガがなければトップ3に食い込む可能性は十分にある。

【左翼手】

1位 張本勲(東映など):504

2位 金本知憲(阪神など):476

3位 土井正博(近鉄など):465

歴代最多安打の記録を持つ張本は、長打力も抜群で左翼手のトップとなっている。その後に、1492連続試合フルイニング出場の記録を持つ“鉄人”金本が続く。西武のコーチ時代に清原や松井稼頭央を育てたことでも有名な土井は自身も多くのホームランを放っており3位。このポジションは日本で長くプレーした助っ人選手が守ることが多く、ローズ(464、近鉄など)が土井に続き4位、ラミレス(380、ヤクルトなど)が6位、今も現役で2013年にシーズン最多の60本塁打を放ったバレンティン(288、ソフトバンク)が9位にランクインしている。

【中堅手】

1位 山本浩二(広島):536

2位 秋山幸二(西武など):437

3位 松井秀喜(巨人):332

外野で最も守備力を求められるセンターだが、1位の山本は全ポジションでも歴代4位の大砲。走攻守すべてが一流で、“メジャーに最も近い男”と呼ばれた秋山が続き、3位はメジャーで日本人トップの175本塁打を放った松井がランクインしている。松井はメジャー時代の本塁打を足すと507本だが、日本でプレーをしていれば、それ以上に本数を伸ばしていた可能性は高い。松井に続く4位には前田智徳(295、広島)が入っており、カリスマ性の高い打者が並んだ印象を受ける。

【右翼手】

1位 長池徳士(阪急):338

2位 高橋由伸(巨人):321

3位 藤井康雄(オリックス):282

阪急の4番を長きにわたって務め「ミスターブレーブス」と呼ばれた長池がトップ。2015年限りで引退した高橋が続き、その後に、中村剛也に抜かれるまでパ・リーグ最多の満塁本塁打記録(14)を持っていた藤井がランクインした。高橋はキャリア序盤から長打力を発揮し順調に本塁打数を伸ばしていたが、ケガが多かったことが悔やまれる。現役最多の福留孝介(阪神)は昨年までに280本を放っており、今シーズン中に藤井を抜くのはほぼ確実だろう。

【指名打者】

1位 門田博光(南海など):567

2位 山崎武司(中日など):403

3位 レロン・リー(ロッテ):283

現在のようなトレーニング環境がない時代に40歳を超えて活躍した「不惑の大砲」門田が1位。2位には名将・野村監督の下、晩年になって数字を大きく伸ばした山崎が続いた。3位には日本では11年のプレーながらレロン・リーが食い込んでいる。やはりDHは、各チームの外国人プレイヤーが務めることが多く、ブライアント(259、近鉄など)が5位、セギノール(172、日本ハムなど)が7位、デストラーデ(160、西武)、ウインタース(160、日本ハム)が9位で並んでいる。現役でもデスパイネ(ソフトバンク)が154本で12位につけている。

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