言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲 要約

はじめに


この社会は綺麗事で溢れている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではないーだが、それらは絵空事だ。世界は本来、残酷で理不尽なものです。往々にして努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外でなく、美人とブスの美貌格差は約3600万円です。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から残酷すぎる真実を明かす。この不愉快な現実を知ることが世の中を良くするには必要です。本書の内容はすべて証拠があります。
第1章 努力は遺伝に勝てないのか
一般知能はIQによって数値化できる。一卵性双生児と二卵性双生児を比較したり、養子に出された一卵性双生児を追跡することでその遺伝率をかなり正確に計測できる。こうした学問を行動遺伝学という。
論理的推論能力の遺伝率は68%、一般知能の遺伝率は77%だ。これは知能の違いの7〜8割は遺伝で説明できることを示している。学校教育はどんなに頑張ってもできない子もいる事実を認めないから不登校や学級崩壊などが起こるのは当たり前です。
統合失調症の遺伝率は双極性障害と並んで極めて高く、80%を超えている。
反社会的行動と遺伝は顕著に表れている。
知能は環境によって差が生じると考えます。環境決定論では親が高収入だと子供の学歴が高い。行動遺伝学では認知能力は7〜8割が遺伝の影響を受ける。
人種とIQの関係は1969年、アメリカの教育心理学者アーサー・ジェンセンは論文で記憶力はすべての人種に共有されているが、概念理解は白人とアジア系が黒人やメキシコ系に比べて統計的に優位に高いとしている。
行動計量学者リチャード・ハーンスタインと政治学者チャールズ・マレーは白人と黒人との間にはおよそ1標準偏差(白人の平均を100とすると黒人は85)のIQの差があると述べた。
ユダヤ人はなぜ知能が高いのか。ユダヤ人の中でもアシュケナージ系のユダヤ人だけ高い知能を持つ。理由はヨーロッパにおける厳しいユダヤ人差別からうまれています。
アジア系アメリカ人のIQは白人よりも高いことを指摘した。
アメリカの経済格差は知能の格差です。
白人に限定して知能の格差による人生の影響について調べた結果は、一流大学の卒業生は全体の83%が高級住宅地に住所があった。ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ボストンに集積している。これらスーパーZIPに住む上流階級はファーストフードはあまり食べず、アルコールはワインかクラフトビールでタバコは吸わない。ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルを読み、基本的にあまりテレビを見ない。白人でも上流階級と下層階級が分断されていて、これは人種問題ではなく知能の問題です。
日本でも都市部に暮らす20代の女性に極度の貧困が広まっている。そこには精神障害、発達障害、知的障害があり、そういう人は風俗にスカウトされて最低限の福祉を提供されるかわりに安い賃金で体を売るようになる。景気の悪化によりお客も減り経営が苦しくなり従業員を雇うことができず、風俗でも働くことができない人も出てきている。
女に比べて男が遺伝的・生物学的に暴力的・攻撃的なのは明らかです。
世界的に見ても子殺しは現代社会の病理でもなく昔から行われている。例えば継親であったり赤ん坊が奇形であったり経済的に余裕がなかったりすると子殺しは起こる。これはチンパンジーなどの霊長類でも行われていて子殺しの背後にはそれによって繁殖度を高めようとする進化のプログラムが隠されている。
妻殺しでは夫の嫉妬が原因なことが多い。
オランウータンもレイプすることを動物学者、進化心理学者が研究から明らかにした。
夫婦間でもレイプは起こっていて、こうしたことの殆どは男性が妻や恋人の不倫を疑った時に起こっている。進化論的に見るとライバルにな負けずに子孫を残す動機からきている。
実の親と義理の親では義理の親の方が子供の虐待は多い。
犯罪心理学者は反社会的な人の安静時心拍数が低いことを発見した。これは幼少時から確認されていて成人後の反社会的行動に結びつくことを示している。この原因は恐怖心のなさ、恐れの欠如を反映している。それと心拍数の低い子供は高い子供より共感力が低いこと。もう一つは刺激の追求で、覚醒度の低さが不快な生理的状況をもたらし、それを満足させるために刺激を求めて反社会的行動に走る。
子供の時に心拍数が低くても、もしその子供が知能や才能に恵まれていれば社会的・経済的にとてつもない成功を手にするかもしれない。そもそもベンチャー企業の立ち上げなどは恐れを知らない人間にしかできない。
発汗しない子供は親がどれほど厳しくしつけても、良心を学習することはできない。
賢いサイコパスと愚かなサイコパスは愚かなサイコパスは発汗が少なく、計画、注意、認知の柔軟性は著しく劣っている。賢いサイコパスは普通の人と同じ発汗をし、高い知能も持っていた。賢いサイコパスが犯罪に走った理由は幼少期の実の両親との関係が薄かったことと、幼少期の心拍数が低かった。
犯罪者早期発見は現在の医療技術で可能なものです。2034年にはシステムが運用されると予想される。これを受けて子供の選別が行われ遺伝的なことや家庭環境に対処するために子供を産むのに親の免許制となることが考えられる。
イギリスでは2000年に危険で重篤な人格障害に対する法律が制定され、その法のもとで危険だと考えられる人を、なんら犯罪を、犯していなくても警官が逮捕し検査と治療のために施設に送ることができるようになっている。
犯罪学者の調査によると、血中の鉛レベルが高い少年は非行スコアが高い。
妊娠中の喫煙、アルコールは胎児の脳の発達に悪影響を及ぼし、高い攻撃性や行為障害を引き起こす。また出生後の栄養不足、特に亜鉛、鉄、タンパク質の不足が脳の発達を阻害し、IQを低下させて反社会的行動を導くことも分かっている。
第2章 あまりに残酷な美貌格差
男女ともに卒業写真であまり笑っていなかった人の離婚率は、満面の笑みの卒業生の5倍にのぼる。
ひとは外見だけで、見ず知らずの人間の性格や知性を判断できる。また、外見から攻撃性を推測することもできることがわかっている。攻撃性の判断基準は顔の幅と長さの比率です。男性では幅の広い顔は攻撃性が高い。これはテストステロンの値と関係がある。女性については攻撃性に差はない。
人種と容貌に関する研究ではアフリカ起源の顔の特徴の人は暴力的だと直感されて裁判にも影響を及ぼしている。
女性の容姿による収入の格差は存在する。意外なことに美貌格差の最大の被害者は醜い男性です。
会社の業績を上げることのできる経営者の顔は幅の広い顔を持つ人です。こうした男性はテストステロンが高いためです。刺激を犯罪や暴力に向けるのでなく自身の才能をビジネスや競争に向けることで成果を出している。
男と女ではモノの見方が違う。男女の網膜を調べると男性の方が厚くM細胞が広く分布していて、女性の網膜は小さくP細胞で占められている。それとテストステロン、エストロゲンなどの性ホルモンの違いが脳の形成に影響を及ぼしてモノの見方が違う。
先進国で男女の満足度を調べると女性の方が一貫して高い。女性が男性と異なる職業を選択していたときには女性は男性より幸福度が高い。しかし近年、女性の社会進出が進んだ結果、人生の満足度も男性と同じレベルまで低下した。
ヒトの本性は一夫一妻制や一夫多妻制ではなく乱婚である。
男性のペニスと性行動は、その特徴的なかたちとピストン運動によって、膣内に溜まっていた他の男の精液を除去し、その空隙に自分の精子を放出して真っ先に子宮に到達できるように最適化されている。
女性がオルガスムの時に大きな声をあげるのは、他の男たちを興奮させておびき寄せるためである。
中国南部の雲南省にあるモソ族は自由性愛の風習がある。
第3章 子育てや教育は子供の成長に関係ない
行動遺伝学は知能や性格、精神疾患などのこころに遺伝が強く影響することを示している。自閉症や情緒障害も遺伝の影響が大きい。知能や性格に環境の影響はほとんど見られない。親は子供の人格形成に何の影響も与えられないのです。
進化適応環境では子供達にとっては「友だちの世界」がすべてです。ヒトは社会的な生き物で群から排除されれば生きていく術がない。これは子供も同じで友達の世界から追放されることを極端に恐れる。子供の集団のルールが家庭でのしつけと衝突した場合、子供は親の言うことは絶対聞かない。親が影響力を発揮できるのは子供たちの世界で興味の対象になっていない事柄だけです。
このように考えて、別々に育てられた一卵性双生児がなぜよく似ているのかの理由は、子供は自分と似た子供に引き寄せられる。一卵性双生児は同一の遺伝子を持っているから、別々の家庭で育ったとしても、同じような友達関係を作り、同じような役割を選択する可能性が高い。遺伝と友達関係が同じなら、その相互作用によって瓜二つのパーソナリティができあがっても不思議でない。
同じ遺伝子でも違う性格になる場合は、子供の集団の中でキャラが被ればどちらかが譲ることが起きる。そうすると違う性格が生まれ、異なる人生を歩むことになる。
子供も社会的な生き物であるから好きな数学の勉強も、仲間外れにされるならさっさとやめてしまう。子供の知的能力を伸ばすなら、良い成績を取ることがいじめの理由にならない学校を選ぶべきです。同様に芸術的才能を伸ばしたいなら、風変わりでも笑い者にされたり、仲間外れにされたりしない環境が必要です。
まとめ
本書は人間の本質、本性を綺麗事や忖度なしに述べています。読むと気分の悪くなることも多いですが真実を知ることによって学ぶことが人間は大事であり、それを踏まえて思考を深める良いきっかけになる内容です。
著者 橘玲 作家

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