インボイスはなぜ必要?初心者にもわかりやすいインボイスの解説

日本から海外へ荷物を送付する際はインボイス(Invoice)が必要になります。
海外から日本へ届く荷物を受け取った方であれば、インボイスを見たことがあるかもしれません。
インボイスは海外へ荷物を送付する際に添付しなければいけない書類のひとつですが、必要な場合とそうでない場合があります。
近年は越境ECが盛んになっていることから、海外の方へ商品を送付するという方も多くいらっしゃると思います。
しかし、貿易に関して全くの知識がない人であれば「インボイスとは?」と思うことでしょう。
今回はインボイスがどのようなものなのか、何故必要なのか、どういったときに必要なのか、その他必要書類について説明したいと思います。
- インボイス(Invoice)とは?
- インボイスの書き方
- インボイスの種類
- 無償で提供するものであっても、インボイスに価格の記載が必要
- なぜインボイスが必要なのか?
- インボイスが必要な送り先・送付方法
- インボイスの記載内容が間違っていたらどうなる?
- まとめ
インボイス(Invoice)とは?
日本郵便のホームページでは、インボイスを以下のように説明しています。
「インボイス」とは通関上必要な「カスタムズ・インボイス」という書類で、日本語では「仕入書」と呼ばれるものです。税関に申告する際に必要となります。
またEMSの場合、国によってインボイスが必要な国と必要でない国があります。(出典:日本郵便 「必要書類について インボイスとは何ですか?」https://www.post.japanpost.jp/int/question/113.html)
インボイスは税関に「このような商品を他国に送ります」と輸出する側が作成する書類です。
発送元、発送先情報といった国際配送に必要な情報はもちろん、商品・数量・金額・取引条件・出荷地・着地などの項目が記載されており、インボイスを見れば荷物がどのようなものか、またどこから発送されてどこに着くのかということが一目でわかるようになっています。
また、このインボイスを元にして輸入国側で輸出国側へ支払いを行い、関税等の税金を納付することで荷物を受け取ることができます。

インボイスの書き方
インボイスを作成する際、どのように記入していけば良いかわからない方も多いでしょう。
日本郵便のウェブサイトではインボイスの記入方法について記載したページがあるので、こちらを参照しても良いかもしれません。
(参考:日本郵便 インボイスについてhttps://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/invoice.html)
また、上記のページで表示されているインボイスと同じフォーマットがあります。こちらのページからエクセル版のインボイスの雛形をダウンロードできます。
記入例(画像参照)があるので、基本的にはこれに沿って記入していけば問題ありません(他の配送サービスを利用する際はインボイスの独自のフォーマットを用意しているところが多いので、その配送サービスが提供しているフォーマットでインボイスを作成してください)。
インボイスフォーマット(日本郵便のホームページより)
インボイスの種類
インボイスには様々な種類があり、主なものとして以下のインボイスがよく見られます。
- プロフォーマ・インボイス(Proforma Invoice)
- コマーシャル・インボイス(Commercial Invoice)
- シッピング・インボイス(Shipping Invoice)
- カスタムズ・インボイス(Customs Invoice)
1、プロフォーマ・インボイス
プロフォーマ・インボイスは見積として作成されます。
価格などが変わる可能性があるので、通常正式なインボイスとしては使用しません。コマーシャル・インボイスを発行するのに時間がかかる際に仮の書類として作成されることもあります。Proformaは「仮の」と言う意味です。
2、コマーシャル・インボイス
コマーシャル・インボイスは、正式なインボイスです。このインボイスを元に輸入国側で輸出国側に対して支払いを行います。よって、請求書と同程度の意味があります。
輸出国側への支払いに用いられ、また通関の際税率の計算にも用いられる正式書類となりますので、間違いのないように正確に記入する必要があります。
もしコマーシャル・インボイスに不備・間違いがあった際は修正申告や更正申告が必要になり、場合によっては修正などに時間を要する場合もあります。
3、シッピング・インボイス
シッピング・インボイスは納品書/配送指示書のようなものです。コマーシャル・インボイスのような意味はほぼありません。
4、カスタムズ・インボイス
カスタムズ・インボイスは税関向けに作成する書類です。輸出をするために必要な書類で、輸出先国によってカスタムズ・インボイスを作成する必要があります。
この中でよく見られるのはやはり②のコマーシャル・インボイスです。単に「Invoice」とも表記されます。海外の人とメールでやりとりする際、Invoiceのことを省略して「I/V」と書くこともあります。
無償で提供するものであっても、インボイスに価格の記載が必要
コマーシャル・インボイスであっても支払いの必要がないものがあります。
輸出先に商品をサンプルとして送る場合、無償で提供することがあります。また、個人利用の目的で使用品を送ったり、プレゼントとして海外にいる相手に荷物を送りたい場合など、様々なケースがあります。
その際、インボイスの商品を記載する欄に商品名は「XXX Sample」「used XXX」などと記載し、価格の欄には通常の価格を記載しますが「No Commercial Value」と記載してあればそれは支払いの必要がありません。
しかし、全く金額を書かずに「No Commercial Value」と記載することはできません。中古品(使用済み品)であっても、プレゼントであっても金額を記載する必要があります。
No Commercial Valueの記載があれば、荷物を受け取る側は荷物に対しての支払いを行わなくても良いですが、関税などはかかります(関税などを支払わないと荷物を受け取ることができません)。関税の算出にはインボイス価格が必要となるため、金額を記載しなければいけません。
なぜインボイスが必要なのか?
インボイスは商品価値のある物品を送る際に輸出国側で作成される書類の一つです。
輸入国側ではインボイスをもとに仕入れた商品に対し支払いを行いますが、このほかに関税・地方消費税・消費税を支払う必要があります。
輸入する商品によって税区分が決められており、それぞれ税率が異なります。輸入する商品についての関税率についての詳細はこちらを参照してください。
参考:財務省貿易統計 http://www.customs.go.jp/tariff/2017_5/index.htm
インボイスが必要な送り先・送付方法
海外へ荷物を送る際、日本郵便のEMS(国際スピード郵便)や、佐川急便の飛脚国際宅配便、ヤマト運輸の国際宅急便、外資系企業であるDHL、Ups、FedExなどのサービスを利用できます。

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荷物を送付する際、インボイス作成と寸法、重量を量る必要があります(書く配送会社で配送料の算出のために必要)。
参考までに、インボイスが必要な送り先国一覧については日本郵便のホームページから確認できます。
参考:日本郵便 「EMSの発送に必要な書類」
http://www.post.japanpost.jp/int/use/document.html
インボイスの作成が終わり、寸法や重量を測り終わったらそれぞれの配送会社が指定している送り状に配送先や商品などの情報を記載して作成します。

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インボイスの記載内容が間違っていたらどうなる?
インボイスの内容に間違いがあると、時として大変な労力を使わなければいけなくなります。
特に、輸入許可後の仕入価格の間違いの発覚が一番厄介な問題です。間違いを発見した際はできるだけ早く税関に届け出る必要があります。
実際の仕入れ価格よりインボイス記載の金額が高い場合、輸入国側で関税等も多く支払っているのでこの場合はそれほど大きな問題とはなりません。還付を希望する場合、更正の請求をすることで払いすぎた分の税金を還付してもらうことができます。
問題なのが実際の仕入れ価格よりインボイスの金額が低い場合です。
これを修正申告といいます。
この場合、必要な関税等を納付していないことになります。本来課されるべき関税等を納付しなければいけないことは当然として、このほかに加算税が課されることがあります。
インボイスに記載している内容の誤りは度々起こることですが、このような面倒な手続きをしなくても済むようにインボイスの作成には十分注意することが必要です。
インボイスの記入ミスを防ぐためのチェック項目や気をつけるべきことについて以下のリンクに注意点が記載されていますので、参考にしてください。
参考:横浜税関 「輸入申告の際によくある税額計算上の誤りについて」http://www.customs.go.jp/yokohama/tsukankankei/zeigaku1-1.pdf

まとめ
インボイス作成と聞くとどうしても初心者には難しく感じてしまうことと思います。
初めてインボイスを作成する際は難しく感じるかもしれませんが、ポイントさえきちんと押さえておけば誰でも簡単に作成することができます。
越境ECを行っている方であれば、送り先によってインボイスの作成は避けられない作業でもあるので、インボイスの書き方には慣れておいたほうが良いでしょう。