SAP S/4HANAマイグレーションの事前準備に SAP Readiness Check 2.0 for SAP S/4HANA Vol.3 アドオン(Custom Code)への影響度
次はお客様のアドオン(Custom Code)プログラムへの影響度分析の見方を解説します。
ちなみに日本ではアドオンと呼ばれるお客様システム独自のABAPプログラムは、日本以外ではCustom Codeと呼ばれたりCustomizationと呼ばれる事が多くあります。アドオンという言葉もありますが、SAP ERP6.0等の標準製品の上でパートナー社またはSAPが出している追加有償プログラムライブラリの事を日本以外ではアドオンと呼ぶ事が一般的です。(例:xx国yy法対応パッケージなど)今後Globalで共通のサービスを活用する時に意識しておいていただけますと好都合かも知れません。
1)カスタムコード分析・第一画面の解説
範囲内 :お客様の使用状況のデータより実際実行されているアドオンです。
範囲外 :お客様の使用状況のデータより実際使用されてないアドオンです。開発したアドオンもSAP調査ではGlobal平均で65%が使われなくなります。今後本当に必要か・削除するかの判断が必要です。
機能の変更(手動):アプリケーション知識のあるコンサルが入って修正方針を決める必要がある項目です
技術コードの調整(手動):アプリケーションの知識を必要とせず、技術的・機械的修正で対応可能な項目です
技術コードの調整(クイックフィックスによる自動化):アプリケーションの知識を必要とせず、技術的・機械的修正で対応可能な項目です 自動的修正が可能です
2)カスタムコード分析・第二画面のチャートの解説
改善タイプ別:下記3)の改善のタイプ(Type of Remediation)に相当します コード修正が機械的に可能かどうかです
クイックフィックスサポート別:下記3)のクイックフィックスサポートに相当します。機械的にコード修正が可能なものの中で自動修正ツール(クイックフィックスサポート)が使用可能かどうかです
By Findings:下記3)の調査結果に相当します。情報提供レベルか、変更が必須かです。
4番目のチャート:下記3)のステータスに相当します
3)カスタムコード分析・第二画面の一覧表の解説
一番最後の影響詳細項目毎の一覧表の用語の解説になります。
ステータス Status 次の5つに分類されます
Change of Existing Functionality 既存の機能の変更
Functionality Unavailable (Equivalent Exist) 機能は存在しない(相当する機能あり)
Functionality Unavailable (No equivalent) 機能は存在しない
Functionality Unavailable (Equivalent on Roadmap) 機能は存在しない(相当する機能計画中)
Non-Strategic Functionality (Equivalent on Roadmap) 非戦略的機能(相当する機能計画中)
*非戦略的機能の意味はVol.2標準機能への影響を参照ください
改善のタイプ Type of Remediation 次の2種類があります
Technical Code Adoption ・技術コード採用 アプリケーションの知識を必要とせず、技術的・機械的修正で対応可能な項目です
Functional Redesign・機能再デザイン アプリケーション知識のあるコンサルが入って修正方針を決める必要がある項目です
クイックフィックスサポート(実績) Quick Fix Support
自動的な修正手法が提供されている修正項目です
範囲情報 In Scope/Not In Scope
第一画面の解説の通り使用されているアドオンか使用されてないかです
調査結果 Finding Priority
Error 修正が必要なもの
Warnings ワーニングですが同じく修正が必要なもの
Information 情報提供のレベル
アプリケーションコンポーネント 機能領域
カスタムコードのノート 対応するSAP Note