超リアルタイムビジネスが変える常識

超リアルタイムビジネスが変える常識[SAPジャパン ブログ] | SAP Business Innovation Update

超リアルタイムビジネスが変える常識

なぜ「デジタル」サプライチェーンなのか?もういちど基本を考え直してみる

現場力で成功してきたためにデジタルを活かせない日本企業 

「ヒトではなく、電子(デジタル)を走らせろ。電子は疲れない」。サッカーの名監督のヨハン・クライフの「選手ではなく、ボールを走らせろ。ボールは疲れない」を応用した言葉です。サプライチェーンやITに限らず、今日の日本企業が抱える課題は、すべてこの一言に集約されると言っても過言ではありません。

日本企業だけが、「デジタルの力」をうまく活用できていません。理由は2つあります。ひとつは、日本企業が「人の力(社員の現場力)」を最大限に活かすことで、世界トップクラスにまで上り詰めた、ということ。その成功体験がアダになっているのです。もうひとつは、日本企業では「フィジカル」と「デジタル」の違いがほとんど認識されていないことです。

世界各国は、先進国も新興国も、2000年以降も経済成長を続けているのに対し、日本の経済成長はここ20年以上、ほぼ横ばいです。それは日本人が働かなくなったからではなく、社員の現場力に頼るというやり方を貫いてきたからです。いっぽうその間に海外企業は「デジタルの力」を使って大きく成長しました。

SAP村田の講演資料から抜粋#1

日本企業は高度経済成長期から、日本人の勤勉で残業も厭わず定年まで勤務するという労働観を前提に、QC活動やカイゼンを奨励して現場社員に考えさせ、現場力を最大限に発揮させてきました。それは、日本人のような労働力が確保できず、雇用の流動性も高い海外企業には、まねのできない成功モデルでした。

ところが、1990年代後半~2000年代 に入ると、ITやインターネットなど、デジタルの能力が飛躍的に伸び、人の代わりに電子、つまりソフトウェアに仕事をさせることが可能になってきました。この「デジタルの力」の活用は、現場力に頼ることができない欧米の経営者にとっては非常に魅力的でした。以後、海外企業が人とデジタルが業務を分担することで全体最適を実現し、生産性を高めてきたのに対して、日本企業は現場力に頼り続けた結果、経済成長に大きな差が生まれました。

また、日本でいま言われている働き方改革は、目的が「残業時間削減」になっていて、その方策は「社員、管理職、経営者の意識改革」となっています。ドイツ人の同僚にこの現状を話したところ、「労働時間を短くするには、人を増やすか、仕事を減らすか、仕事をITに肩代わりさせるか以外に方法はない」と言われました。日本が今後進むべき道は、日本以外の国がこの20年間に行ってきたことが参考になると思います。

デジタルとフィジカルのいいとこ取りで競争力を持つ 

「デジタル」の反対語は「アナログ」ではなく「フィジカル」です。このことをしっかりと認識する必要があります。フィジカルと比較したデジタルの大きな特長は2つあります。「超高速で動かせること」、そして「複製しても劣化しないこと」です。これらの特長が一番効いてくるのが、コスト構造です。フィジカル(ハードウェア)は、初期費用以外にも必ず製造原価がかかります。しかし、デジタル(ソフトウェア)は、初期費用はかかっても、製造原価はほとんどかかりません。どちらがいい悪いということではなく、いかに双方のいいとこ取りをするかが競争力の決め手になります。これが近年ブームになっている「IoT」です。

SAP村田の講演資料から抜粋#2

オープンソースは、なぜ無料で利用できるのか。それは「一度作ってしまえば、複製するコストは限りなく無料だから」です。すなわち、「作ったら負け」ということです。誰かが作ってくれたものをコピーして使うほうがはるかに安く上がります。ですから、デジタルでは、極力作らないことが肝要なのです。

ソフトウェアは「オーダーメイド」よりも「汎用品(パッケージ)」のほうが、高品質かつ高収益です。なぜならオーダーメイドではすべてのコストを1社から回収する必要があり、工数を厚くかけられません。パッケージならコストを多数社から回収できるので、手厚く工数をかけて高品質なものを作っても、なお大きな利益を出せるのです。

トヨタ自動車は自動運転分野でゼネラル・モーターズなど8社と提携します。自動車業界において自動運転技術といえばまさに根幹にあたりますが、トヨタは単独で開発するのではなく、業界全体で開発費を負担して効率を上げようとしています。これも、デジタルにおけるコスト構造のあり方を見直した例と言えます。

日本企業の勝機は既存事業にデジタルを掛け合わせるところにある 

従来から行われてきたIT化と、これから重要になってくるデジタル変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)との違いは何か。従来のIT化は、「人が行う前提で最適化されたビジネスプロセス」そのものは変えず、その所々にITを投入して、部分的に改善することでした。これに対しデジタル変革は、「人が行う前提で最適化されたビジネスプロセス」を、「デジタルが行う前提で最適化されたビジネスプロセスに転換すること」です。

UberやAirbnbのように、既存事業がなければ、新しいビジネスプロセスをデジタルで実現することは簡単です。難しいのは、既存事業がある中、どのようにして新しいビジネスプロセスをデジタルで実現させるのか、です。「従来の競争軸」を縦軸に、「デジタルによる新たな競争軸」を横軸として図にしたとき、目指すべきは、既存事業で従来の競争力を伸ばしていくことではなく、従来の強みにデジタルを掛け合わせて、新たな強みを実現することです。

SAP村田の講演資料から抜粋#3

サプライチェーンの変革もこのような発想で進めることが重要です。海外の企業では、「フィジカルなモノの動きをデジタルで可視化」「在庫コストの大幅削減」「サプライヤーとの取引の大幅なスピード化」「需要と供給の管理を一元化し、需要予測による調達計画の作成や見直しを効率化」などが既に実現されていますが、日本の企業も「デジタル」サプライチェーンの構築を始めています。製造業ではモノの出し入れが必ず発生しますが、SAP S/4HANAの導入により、「入出庫からの一連の流れが経理でもつかむことができるなど、各部門で情報を共有することで効率化でき、課題解決も早くなった」「人が行うよりシステムが行うほうが圧倒的に速い」との事例があります。

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