パソコンや各種情報端末を駆使するIT産業は、現代の花形産業というマスコミが作り出した華やかなイメージや求められる専門技術の高さとは裏腹に、実際の労働は地味で単調で長時間に及ぶため厳しい労働環境となるケースが多い。また、元請企業であるゼネコンが下請企業を支配し仕事を丸投げするという、建設・土木業界によく似た多層式の産業構造になっており、実際の現場における末端の従業員に対しては専門職の技術者という意識は乏しく、単なる作業要員という扱いがされているほか、多重派遣や偽装請負が頻繁に行われており、この様な構造によりIT業界そのものが維持され、その利益が上へ上へと吸い上げられ、収入増やキャリアアップの機会も無い末端の従業員は次々と使い捨て同然に消費され、人材の入れ替わりが激しい。
このことから、IT業界のヒエラルキーの最下層で働く労働者が、割に合わない低賃金の上に不安定な雇用環境の労働現場で厳しい労働実態を強いられている自らを卑下して表現する形で、やはり建設・土木業界の最下層で厳しく不安定な労働条件の下で働かされている土方(土木作業員)にたとえ、デジタル土方、IT土方あるいはコンピュータ土木作業員などという表現がなされるようになった。